16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
「楽しいとこ、って、名良橋君だけじゃん」

「いいからうってみろよ、シュート」

「……やめとく。そもそも、なんで私にバスケなんか……」

「だって早坂、いつもクラスのヤツ等避けてんじゃん。喋ったこともない俺の部活知ってるのに。気になるの、当たり前だろ」



気になる、なんて嬉しくないよ。

ほっといてよ、私のことなんて。

中学の頃使っていたものよりも少し重く大きいボールを名良橋君に投げ返し、私は走って体育館を飛び出した。

そして息を切らしながら辿り着いたのは、薄暗い階段の裏。



「……っはぁ……けほっ……」


走っちゃ駄目って、お医者さんから言われてるのに……。





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