16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
つらいことがあっても、必ずその先には笑顔が待ってる。

そう思っているから、あんな風に正々堂々と私に言えるんだと思うの。



「……」

「ほら、黙ってるってことは肯定してるんだよね」

「……」



名良橋君は頑なに口を開こうとはしない。

震える声を隠すように、私は目線を上げて出来るだけ明るく笑う。



「名良橋君もよかったね、梨央さん戻ってきて!」



まだ涙なんて、出ないで。

私の恋は、名良橋君の幸せを望む恋だから。

今泣いたら、困らせるだけでしょう?



「梨央さんも、名良橋君と再会出来て嬉しそうだったじゃん。これでもう、夏が来ても大丈夫だよね。いなくならないよな、なんてもう言わないよね」



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