16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
自分でもわかる程、私はその事実にホッとしていた。

大切イコール好きは、違うのかな。

私の大切と好きは名良橋君なのになぁ……って、何考えてんだ私!



「……名良橋君の好きって誰に向いてるの?」

「え……?」

「梨央さんが違うなら、それは――」



私の言葉を遮るように、再び名良橋君から盛大な溜め息がこぼれる。

あ、あれ、また!?

意味がわからず、思わず名良橋君を凝視すると名良橋君は私の頭をグシャグシャと掻いた。



「ちょっと!何す……」

「お前ほんと鈍過ぎ」

「へ?」

「……何でもねーよ。つか何だよ、会いたいって」

「……あっ」



突然の梨央さんの登場に、会いたいなんて口走ってしまっていたのを思い出す。



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