16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
今思えば、とんでもないこと言っちゃってる!

あわあわと慌てていると、名良橋君はふっと大人っぽい笑みを浮かべて。

私の胸は、ぎゅっと締め付けられるの。



「……ずるい」

「ん?」

「名良橋君なんて、嫌い!」

「はぁ!?」



赤くなった顔を見られたくなくて立ち上がると、不意に腕を引かれて。

目の前の世界が、ひっくり返った。

真上に、名良橋君の真剣な顔。

真横に、名良橋君の男らしい手。

……何、この体勢。



「……名良橋君……?」

「……あのさ」

「うん?」

「……来週の土曜日、さっき言ってた大会なんだよ」

「うん」



私を見下ろす名良橋君をまた同じように見上げ、頷く。

なんで、この姿勢でバスケの大会のこと……?



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