16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
名良橋君、もしかして私の話聞きたくなくて……?

名良橋君の考えていることも、高野君が言おうとしてることもわからず、ただ聞き耳をたてることしか出来ない。



「高野は知ってんの?早坂が転校すること」

「……まぁな」

「俺さ、梨央のことがあってから駄目なんだよ。選択して、後悔するんじゃないかって思うと……怖い」



名良橋君の声はどこか震えていて。

私が、名良橋君をこんな風にしてることが、苦しかった。

なんで私は、名良橋君を苦しめることしか出来ないんだろう。

なんで私は、こんなに無力なんだろう。

私が私じゃなかったら、名良橋君をずっと笑わせてあげられたのかな。



「失敗にビビってんなよ」

「……え?」



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