16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
「行こうよ、早坂さん。私等、まだ早坂さんのこと何も知らないよ」

「もっとちゃんと話したいし!」



いつもクラスの中心にいる女子に迫られ、私はどうすることも出来なくなった。

私の本心が何処に在るかなんて、私自身が一番わかってるの。

さっき名良橋君がクラスメートなんだからって言ってくれたこと、女の子がいつも笑顔で接してくれたこと、今みたいに明るく誘ってくれること。

本当は全部、嬉しいと感じている私がいる。

うっかりその手を取りそうになったとき、少し開いた窓からじめっとした風が流れ込んできて。



「……っ!」



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