16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
名良橋君が動いたら、私はもうどうすることも出来なくなると思うんだ。

それ以上は聞きたくなくて、私は足早に教室に戻った。





「あ、早坂さんおかえりー」

「アイツ等は?」

「見つけらんなかった」



椅子に座り、レモンティーを啜る。

みんなは特に気にする素振りも見せず、会話を再開させた。



結局、名良橋君と高野君が戻ってきたのは予鈴が鳴る直前だった。





「早坂由仁さん、診察室へお入りください」



放課後、私は診察のために病院を訪れていた。

前に入院したときにお世話になった看護師さんに呼ばれ、診察室へと入る。



「こんにちは、早坂さん」

「こんにちは」

「調子はどう?」



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