16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
初めにいつも通りの診察をし、先生がカルテに書き込んでいく。

あ……また、薬増える……。



「それじゃあ今日は検査もするから、診察室の椅子の前で待っててね」

「……はい」



重い足取りで診察室を出た後、言われたとおり診察室前の長椅子に座り、深い溜め息を吐く。

これ以上薬が増えたら、もう本当に時間がないのかもしれない。

俯き、溢れそうになる涙を堪えていると、視界に真っ白な靴が入り込んできた。

顔を上げると、ついさっき別れたばかりの人。



「先生……?」

「早坂さん、ごめん。ちゃんと言っておくべきだったわ」

「……何を、ですか」



心臓がどくんと脈を打つ。

先生の表情は険しく、今からされる話が喜ばしいものではないことは安易に予想出来た。



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