16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
「……今回、また薬が増えるわ」

「……はい」

「正直、もう限界よ。倒れる前に、入院してほしい」

「……っ」



何となく予想は出来てたけど、真っ正面から言われるときついなぁ……。

先生の顔を真っ直ぐに見ることが出来ず、私は再び俯いた。



大会観に行くって言った。

次の日、由羽ちゃんと遊びに行くって言った。

入院したら、約束果たせないのに。



「……嫌です」

「え……?」

「余命を知ったときから決めてたんです。入院して生き長らえるより、今まで通りの生活を送って死にたいって」



周りには誰もいなかったので、私ははっきりとその言葉を口にすることが出来た。

いなかった――筈だった。

だけど。



「……余命って、何の話……?」



曲がり角から姿を現したのは、目を大きく見開いた梨央さんで。



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