16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
「ゆにおねーちゃん?」

「今日ね、お兄ちゃん練習で遅くなるから、うちでご飯食べることになったの」

「帰り支度しておいで」



先生がそう言うと、由羽ちゃんはロッカーへと走っていった。

そんな様子を見て、思わず笑みが浮かぶ。

可愛いなぁ、やっぱり。

そんなことを思っていると、先生がまた口を開いた。



「早坂さんって、もしかして由貴くんの彼女?」



思わぬ質問に驚いて声が出ず、私は何度も首を横に振った。

そんな私を見て、先生はふっと笑みをこぼした。

どうやら、私の気持ちはバレバレみたい。



「由貴くん、毎日練習終わりに迎えに来ててね。きつくない?大丈夫?って聞いたことがあったの」

「……はい」

「そしたらね、“俺が頑張らないと由羽が不安になりますから”って。ほんと、しっかりしてるわよねー」



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