16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
由羽ちゃんが満面の笑みで持ってきたのは、昔からあるキャラクターのスティックのチョコだった。

あ、これ昔よくお姉ちゃんに買ってもらってたやつだ……。



「だめ?」

「ううん、いいよ。じゃあ、行こっか」

「うん!」



再び由羽ちゃんの手を握り、籠を持ってレジへと向かう。

店の外は、もうとっくに暗くなっていた。





「うさぎさんできたー!」

「わぁ、ほんと!上手だねー!」



由羽ちゃんが作ったウサギ形のハンバーグをトレイに並べ、ちらりと時計を見た。

もう、7時回ってる……。

バスケ部の練習、何時まであるんだろ?

手を止めてそんなことを思っていると、由羽ちゃんからの視線を感じた。



「どうしたの?」

「ゆにおねーちゃんは、おにーちゃんすき?」



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