16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
だからまさか、晴天が曇天になるだなんて思わなかったんだ。





ハンバーグが焼き上がり私も床に座り込むと、その正面に座った由羽ちゃんが目を輝かせながらハンバーグを見ていた。

よかった、形崩れなくて……。

ウサギにすると言った手前失敗は許されなかったウサギハンバーグは、何とか由羽ちゃんが作った形のまま焼くことが出来た。



「おにーちゃんまだかなぁ」

「そう言えば……遅いね」



学校からアパートまで徒歩20分とかからないのに、名良橋君との電話を切ってから既に30分が経過している。

由羽ちゃんの表情が少し曇り、私は慌てて口を開いた。



「由羽ちゃん、先に食べてていいよ?」



笑顔で言ってみるものの、由羽ちゃんがフォークを取る気配はない。



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