16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
「クラス行事だから、これ。早坂の意思とか関係なく強制な」

「……は?」

「時間とか場所とかは高野に任せるから、アイツに聞いて」



それだけを言うと、名良橋君は足早に教室を出て行ってしまった。

置き去りにされた形の私の頭には、かなり血が上ってきている。

私が何も言わないのをいいことに、勝手に話進めて……!

腸が煮えくり返る、とはこういうことだろうか。

気が付くと私は、名良橋君の後を追って教室を飛び出していた。



コンパスの長い名良橋君に追い付くのは、走るという行為をドクターストップされている私にとって、簡単なことではなかった。

結局、追い付いたのは屋上に辿り着いてから。



「名良橋君!」

「……何」




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