16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
「おにーちゃん、だいじょうぶ?」

「うん、大丈夫だよ」



不安そうな由羽ちゃんに笑顔で応えながらも、それが引きつっていることは自分自身が一番わかっていた。



だって、遅くまで練習頑張ってたのに。

観に来て、って言ってくれたのに。

走って行くって言ったから?

私が無理矢理にでも止めていれば、事故に遭うこともなかった……?



「私の、所為……?」



なんて自虐的な考えだと名良橋君ならきっと、笑ってくれるけど、そう思わずにはいられない。

バスケが出来ないつらさを私、知ってるのに……。



溢れる涙を止められないでいる私の顔を、心配そうに覗き込んできた高野君が大丈夫かと声を掛けてくれる。

何か返事を、と顔を上げた瞬間――



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