16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
慌てて振り向くと、そこにはスーツを着た女の人が立っていて。

目元が名良橋君や由羽ちゃんにそっくりで、その人が恐らく2人の母親なんだろうと推測した。



「由貴のお友達?」

「あっ、はい!早坂由仁です」

「貴方が早坂さん?」



名良橋君のお母さんは驚いたように目を丸くしてから、パッと表情を明るくした。



「由貴と由羽からよく話は聞いてます。かなりお世話になってるようで」

「い、いえ、こちらこそ」



名良橋君のお母さんが深々と頭を下げるので、私も慌てて頭を下げた。

そして2人で顔を見合わせ、クスクスと笑う。



「でもほんと、早坂さんには感謝してるのよ」



病室の前にある椅子に腰掛け、名良橋君のお母さんは口を開いた。



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