16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
「ほら、うち共働きで忙しいから。昔から、由貴には迷惑掛けっぱなしだったの」

「……」

「由羽が生まれて暫くは産休で家にいたけど、それも長くは続かないじゃない?実家も遠方だから、どうしても由貴に甘えちゃって」

「そうなんですか……」

「あの子、面倒見いいでしょう?その分、責任感も強くて。弱音とか、家族の前では絶対に吐かなかったんだけど」



一旦言葉を切ったお母さんは、私を見て目を細めた。

その表情が、名良橋君にあまりにそっくりで。

胸の奥底が、ぎゅうってなったんだ。



「前に、由貴が心の内を少しだけ話してくれたのよ。嬉しかったけど驚いちゃって、いきなりどうしたの?って聞いたらね。クラスメートのお陰だって」

「名良橋君……」



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