16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
名良橋君のお陰で私が変われたように、私も名良橋君の何かになれてたのかな。

……そうだったらいいな。



「先月から由羽がずっとゆにおねーちゃんゆにおねーちゃんって言うから、ゆにおねーちゃんって誰?って聞いたのよ。そしたら」



お母さんは私を見て、ニヤリと微笑んだ。

その意味がわからず首を傾げていると、お母さんの口からとんでもない言葉が飛び出した。



「“おにーちゃんのだいじなこ!”って」

「えっ、あっ……違うんです!」



私の慌てぶりが余程おもしろかったのか、お母さんはクスクスと笑っている。

由羽ちゃんったら、こんなことをお母さんにまで……!

思いつつ、3歳の女の子に説明しても仕方あるまい。



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