16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
「あ、ごめん!行くつもりだったんだけど、つい寝ちゃって」



皆がわいわいと盛り上がる中、名良橋君は諦めたように息を吐いていた。



取り留めなくも楽しい時間がその場には流れ、名良橋君も楽しそうにしていた。

だけど私は気付いてしまっていたから、少し苦しくて。

皆が帰る時間になっても、私は理由をつけてその場に残ることにしたんだ。



「早坂、時間大丈夫?」

「うん、ほら……うち、1人だし」

「……そっか」



騒がしさの余韻からか、2人きりになると妙に静かに感じる。

何か話さなきゃ、と思った刹那、名良橋君の手が私の頭に乗った。



「……ごめんな、早坂」



そう呟いた名良橋君は笑みを浮かべていたけど、絞り出したような声で。



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