16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
何が、なんて聞いちゃいけないような気がして、私は何でもないような顔で「ん?」と聞き返す。

すると名良橋君は、



「この様だから、大会出らんねぇわ」



と笑い飛ばした。

それが空元気だと言うことは、痛いほど伝わって。

こんなとき、何て言葉をかけていいのかもわからなくて――私は咄嗟に、名良橋君に手を伸ばした。



「……早坂?」

「強がんなくていいよ、私の前でまで」

「……」



私の腕の中で、名良橋君は黙り込んでしまった。

大丈夫、私が傍にいる。

そんな思いを込めて、抱き締める腕に力を込めた。



「……なんで、今なんだろうな……」

「……うん」

「大会……明後日だぜ?……マジでツイてねー……」



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