16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
私にだって私なりの事情がある、だからこんなことになってまで皆を避けるの。

今まで1ヶ月間、一度も話したりしなかったのに、何よ。



「……学校なんか……来るんじゃなかったな……」



思わずこぼれた胸の内は、どうやら名良橋君にも届いていたようで。

目を大きく開き、驚いたように私を見つめていた。



私には、2つの選択肢があった。

1つは、入院して少しでも長く生きること。

そしてもう1つは――延命治療を受けず、残された時間を自分の思うとおりに生きること。

その決断を迫られたとき、家族は私に延命治療を受けてくれと泣きながら言った。

元々仲がよかった家族だったから、少しでも長く生きていてほしかったんだと思う。




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