16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
泣いてはないようだけど、声が震えてる。

やっと、仮面を外してくれたね。



「……ごめん早坂、俺約束守れねぇ……」

「名良橋君は悪くないよ。ずっとバスケ出来ないわけじゃないじゃん」

「……そうだけど。早坂がせっかく来てくれるって言ったのに――」

「私もバスケしてたんだ、中学の頃」



名良橋君の言葉を遮り、口を開く。

名良橋君が守れないとこんなにも自分を責める“約束”を破り続けることになってしまう私の、罪滅ぼしになれば。



「……早坂が?」

「うん。本当は高校でも続けるつもりだったんだけど、ちょっと怪我しちゃって……もうバスケが出来なくなった」

「……」

「だけど名良橋君はまだバスケ出来るじゃん。リハビリにどれだけかかったって、絶対またボールに触れられる」



< 190 / 220 >

この作品をシェア

pagetop