16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
だから大丈夫だよ、と笑ってみせると、名良橋君に腰を引き寄せられた。
0の距離で感じる体温に、心臓がいつもより足早に脈を打つ。
「ありがとな、早坂」
名良橋君の掠れた声に呼ばれ、私の体が僅かに震えた。
ありがとう、なんて、どっちが。
怪我で辞めた、なんて、私はまた嘘を重ねたのに。
「ねぇ、名良橋君」
「……ん」
「車椅子なら、外出られるかな?」
予想外の質問だったようで、名良橋君は私の腕の中で顔を上げた。
そしてまた、私も名良橋君を見据える。
「なんか、手術したときにボルト入れたらしいから多分大丈夫だけど。いきなりどうした?」
「明明後日の約束はまだ死んでないでしょ?だったら、海行こうよ。砂浜なら、由羽ちゃんがどこにいても見渡せると思うし」
0の距離で感じる体温に、心臓がいつもより足早に脈を打つ。
「ありがとな、早坂」
名良橋君の掠れた声に呼ばれ、私の体が僅かに震えた。
ありがとう、なんて、どっちが。
怪我で辞めた、なんて、私はまた嘘を重ねたのに。
「ねぇ、名良橋君」
「……ん」
「車椅子なら、外出られるかな?」
予想外の質問だったようで、名良橋君は私の腕の中で顔を上げた。
そしてまた、私も名良橋君を見据える。
「なんか、手術したときにボルト入れたらしいから多分大丈夫だけど。いきなりどうした?」
「明明後日の約束はまだ死んでないでしょ?だったら、海行こうよ。砂浜なら、由羽ちゃんがどこにいても見渡せると思うし」