16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
キミが流した涙
約束の日、私は診察室で険しい面持ちの先生と向き合っていた。
「本当に行くの?」
「……はい。今日行かなかったら、私絶対後悔するから」
立ち上がり、先生に頭を下げてから診察室を後にする。
同じ病院内の名良橋君の病室に向かう足取りは、これ程にないくらい重かった。
今日は朝から何となく体調が悪くて、約束の時間の前に診察を受けた私。
私と名良橋君が出掛けることを知っていた先生は、強く引き留めないでいてくれて。
裏を返せば、私にはもう殆ど時間が残されていないということだ。
「名良橋君、由羽ちゃん、おはよ!」
極力明るい声を出してカーテンを開けるも、そこには名良橋君の姿しかなく。
あ、あれ?
予定通りなら、由羽ちゃんもいる筈なのに……。
「本当に行くの?」
「……はい。今日行かなかったら、私絶対後悔するから」
立ち上がり、先生に頭を下げてから診察室を後にする。
同じ病院内の名良橋君の病室に向かう足取りは、これ程にないくらい重かった。
今日は朝から何となく体調が悪くて、約束の時間の前に診察を受けた私。
私と名良橋君が出掛けることを知っていた先生は、強く引き留めないでいてくれて。
裏を返せば、私にはもう殆ど時間が残されていないということだ。
「名良橋君、由羽ちゃん、おはよ!」
極力明るい声を出してカーテンを開けるも、そこには名良橋君の姿しかなく。
あ、あれ?
予定通りなら、由羽ちゃんもいる筈なのに……。