16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
「そんなこと気にしてたの?別に私、ラーメン屋さん1人でも入れるけど」

「マジ?意外」



ラーメン屋に着き、席に座る。

名良橋君は車椅子なので慌てて椅子を退けると、今度は無邪気な笑顔でありがとうと言ってくれた。



「ねぇねぇ、塩バターラーメンってあるよ」

「聞いたことはあったけど、ある店来たの初めて」

「私も。頼もっかな」



店員さんが置いてくれた水を飲みながらメニューを見ていると、目の前で名良橋君がぶはっと吹き出した。

どこに笑う要素があったのかがわからず、私は目を丸くして名良橋君を見る。



「……何」

「や、意外にチャレンジャーなんだなと思って」



チャレンジャー……?

意味がわからずに首を傾げていると、名良橋君は目を細めて口を開いた。



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