16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
計算すれば、後3ヶ月。
余命を宣告されたとき、私は残された時間を誰とも関わらずに生きると決めた。
深入りして、失うことが怖くなって――それでも、時間は正確に時を刻んで。
そして私が死んだとき、誰かを傷つけることになるなら、私は誰の温もりもいらない。
中学までの繋がりをなかったことにするため、県外の高校に入学した。
「先生、薬ください」
「また具合悪い?」
保健室の扉を開くと、黒く長い髪を風に靡かせて保健医の松風先生が振り向いた。
この広くて狭い学校と言う場所で、私の病気を知っている数少ない人物だ。
気付かれる可能性のある教室で薬を飲むわけには行かないので、常備の薬以外は保健室で保管してもらっている。
余命を宣告されたとき、私は残された時間を誰とも関わらずに生きると決めた。
深入りして、失うことが怖くなって――それでも、時間は正確に時を刻んで。
そして私が死んだとき、誰かを傷つけることになるなら、私は誰の温もりもいらない。
中学までの繋がりをなかったことにするため、県外の高校に入学した。
「先生、薬ください」
「また具合悪い?」
保健室の扉を開くと、黒く長い髪を風に靡かせて保健医の松風先生が振り向いた。
この広くて狭い学校と言う場所で、私の病気を知っている数少ない人物だ。
気付かれる可能性のある教室で薬を飲むわけには行かないので、常備の薬以外は保健室で保管してもらっている。