16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
だけど私は、その選択肢に首を縦に振ることは出来なくて。

死を先延ばしにする、真っ白な世界にいるよりも、死を待つ、カラフルでありふれた世界に居たい――その意思を伝えると、家族は崩壊していった。

毎日夜遅くに帰ってくるお父さん、いつも涙を流すお母さん。

そして、全く笑わなくなってしまったお姉ちゃん。

私はそんな大好きな3人を“家族”に戻すために、家を出て県外の高校に入学したんだ。

最後に残る私が、少しでも少なければ、薄れていれば。

離れた時間が、3人に与える衝撃を軽減してくれるなら――私は、残された半年の孤独だって、喜んで受け入れられたの。

だって3人は、私の大好きな家族だから。



「……親睦会なんて、参加するだけ無意味よ」



< 20 / 220 >

この作品をシェア

pagetop