16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
「早坂の誕生日も、晴れたらここ来ねぇ?」

「……」



そのとき私、この世界にいるかな、なんて。

そんな言葉が口を衝いて出てしまわないように、私は小さく頷くことしか出来なかった。



「早坂とこうやって過ごすようになって色んなこと知った気がするけど、本当はそんなに時間経ってねぇんだよなぁ……」

「そうだね。……まだ、1ヶ月とちょっとだよ」



そう考えたら、かなり濃い1ヶ月だった気がする。

誰とも関わらないと決めていた私が名良橋君達と過ごすようになって、名良橋君を好きになって。

色々あったけど、結果的に今私は名良橋君の隣にいられてる。



「ずっとここにいられたらなぁ……」

「……早坂?」

「時が、止まればいいのに――……」



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