16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
必死に笑顔を取り繕い、四阿を出て名良橋君の元へと向かった。

そこにいたのはさっきまでの面影もない、いつも通りの名良橋君だった。



「ごめん、キスなんかして。どうかしてた」

「……ううん、気にしないで」

「……ん」

「それよりさ、砂浜って車椅子でも行けるのかな?」



唐突に話題を変えるも、名良橋君が不思議そうな顔をすることはなく、ニヤリと笑った。

そしてそのまま、砂浜を車椅子で進んでいく。

コンクリートとかじゃないから、かなり腕力いるんじゃないかな。

それでも車椅子を進める名良橋君は、やっぱりすごい。



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