16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
家に帰ってもその会話は頭の中でこだました。

要するに、いなくなった梨央って人に重ねて私に関わってるってこと……?

て言うかまず、いなくなったってどういうことだろう。



「……考えたって、意味ないことはわかってるんだけど」



名良橋君が私に関わる理由が見え隠れし、頭がこんがらがる。

そんな私の隣にあった学校指定の鞄の中でケータイが震えた。

慌てて取り出し相手を確認すると、そこには【学校】と表示されている。

直接ケータイにかけてくるってことは多分、松風先生だな。



「早坂です」

『あ、由仁ちゃん?貴方の家って、学校から徒歩で来れたわよね?』

「え、えぇ。電車使いませんけど」



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