16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
『だったら今から学校戻ってこれない?今日由仁ちゃん、学校で保管しておく薬を余分に置いていったから。それだと明日の分の薬なくなるでしょ』



……そう言えば。

貰った薬袋をそのまま保健室に置いてきてしまったのを思い出す。

私は鞄を持って玄関に向かった。



「今から行きますね」

『えぇ、保健室で待ってるわ』



電話を切り、まだ見慣れない道を歩き出す。

真上に広がる空は悲しいくらいに晴れ渡っていた。





保健室の扉を開けると、そこに松風先生の姿はなかった。

こんなときはいつも書き置きを残してくれるので、私はいつものように机の上を覗き込んだ。

案の定、そこには【電話がかかってきたらしいので、職員室に行ってきます】とあった。





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