16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
名良橋君は本当に困った様子で腕を見下ろした。

関わりたくない、関わりたくないんだけど……!



「……よかったら、私がするけど」



バスケがどれ程楽しくて、そしてどれ程ボールが恋しいかを私は知っているから。

名良橋君は再び目を見開き、私を見た。



「……何」

「あ、や……意外だったから」

「嫌ならいいよ、帰るし」

「や、頼む」



保健室に入り、名良橋君を椅子に座らせる。

手首を変に捻ったらしく、湿布を貼って剥がれないように包帯を巻いてくれとのこと。

まず湿布を貼り、包帯を巻きながら私は何気なしに訊ねてみた。



「確かうちの学校、バスケ部強かったよね?」

「県大会ベスト8は常連だな」

「へぇ、すごい。もしかして名良橋君、試合に出てたりする?」




< 37 / 220 >

この作品をシェア

pagetop