16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
それは、痛い程わかっているのに。
腕を掴む名良橋君の腕が小さく震えていて。
あまりに、名良橋君の表情が切なげで。
「……いなく、ならないよ……」
神様、ごめんなさい。
私は、大きな大きな嘘を吐きました。
関わりたくないと思うのに、私は関わってしまった。
今にも泣き出しそうなこの人を、私は放っておくことが出来なかった。
それが全てで、それ以外に理由なんていらなかった。
――でも。
「……いなくならないけど……いなくなっちゃうよ」
嘘を、嘘のままにはしておけない。
関わらないことが出来ないなら、せめて。
「……どういうこと?」
「……夏には、私引っ越すことが決まってるから。遠くに行くから、いなくなっちゃう」
腕を掴む名良橋君の腕が小さく震えていて。
あまりに、名良橋君の表情が切なげで。
「……いなく、ならないよ……」
神様、ごめんなさい。
私は、大きな大きな嘘を吐きました。
関わりたくないと思うのに、私は関わってしまった。
今にも泣き出しそうなこの人を、私は放っておくことが出来なかった。
それが全てで、それ以外に理由なんていらなかった。
――でも。
「……いなくならないけど……いなくなっちゃうよ」
嘘を、嘘のままにはしておけない。
関わらないことが出来ないなら、せめて。
「……どういうこと?」
「……夏には、私引っ越すことが決まってるから。遠くに行くから、いなくなっちゃう」