16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
「なんで、いきなり……?」
言ってから、しまったと思う。
言いたくないことかもしれないじゃん、と反省していると、名良橋君はどこか遠くを見つめてぽつりと呟いた。
「……似てたんだよ、俺の幼なじみに」
「……幼なじみ?」
「そう。梨央って言うんだけど。一年前の冬、いきなりその一家が夜逃げした」
予想外の言葉に、今度は私が目を剥く。
予想以上にヘビーな話だな……。
次に来る言葉に動揺してしまわないよう、再び手を動かす。
「梨央の親父が、借金抱えたらしくて。前日までは隣にいたのに、気が付けばいなくなってた」
私って、つくづく馬鹿だと思う。
名良橋君は過去形で話すのに、その声は何かを悔いているように感じ、涙が溢れそうになるなんて。
言ってから、しまったと思う。
言いたくないことかもしれないじゃん、と反省していると、名良橋君はどこか遠くを見つめてぽつりと呟いた。
「……似てたんだよ、俺の幼なじみに」
「……幼なじみ?」
「そう。梨央って言うんだけど。一年前の冬、いきなりその一家が夜逃げした」
予想外の言葉に、今度は私が目を剥く。
予想以上にヘビーな話だな……。
次に来る言葉に動揺してしまわないよう、再び手を動かす。
「梨央の親父が、借金抱えたらしくて。前日までは隣にいたのに、気が付けばいなくなってた」
私って、つくづく馬鹿だと思う。
名良橋君は過去形で話すのに、その声は何かを悔いているように感じ、涙が溢れそうになるなんて。