16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

捨てた筈の思いを

翌日から、再び私を輪の中に引き入れようとしだした名良橋君。

私が吐いた嘘が“転校”だったから、多分それまでに思い出を作ろうとか――そういうとこなんだろう。

名良橋君って無愛想とかクールなイメージあったけど、それは昨日のあの束の間の時間に崩された。

本当はお人好しで、温かい人。



「早坂、飯食うぞ」



……まぁ、言い方が命令口調なのはスルーしておこうか。



「……私が行ったら迷惑でしょ」



そう言うと、名良橋君は自分のグループに戻り、何やら話し始めた。

その輪の中には、高野君を始め数人の男女がいる。

そして話し終えた名良橋君は、また私の元へと戻って来た。



「全然いいよ、寧ろ名良橋より早坂さんの方が、だとよ」

「……言われてんじゃん」

「言わせとけ」




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