16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
クールと言うより、無愛想な印象の名良橋君は確か……バスケ部だった筈。

名良橋君も私の存在に気付いたようで、お互いに小さく会釈した。

人を避けている私と名良橋君は、勿論話したことがない。



「高野達とバスケの練習してて、ちょっと指突いた」

「あら……。じゃあ、そこに腰掛けて待ってて頂戴」



松風先生は立ち上がり、奥にある冷蔵庫へと近付いていく。

促されるまま、隣にある椅子に座った名良橋君は不思議そうに私を見ている。



「な……何……」

「や。なんで保健室なんかで飯食ってんのかなって」

「……名良橋君に、関係ないじゃん」



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