16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
「もう時間がない、その言葉で高野君もわかったでしょう?私、死ぬんだよ。それを名良橋君に言えって言うの……?」
高野君は、肩を震わせて黙り込んでしまった。
いや、震えていたのは私だったのかもしれない。
それとも、どっちも震えてたのかな。
「……死ぬなよ……。アイツを……名良橋を、1人にしないでやってよ……」
懇願するような声色で紡がれた言葉は、私に重くのし掛かった。
そして、悔やんだ。
関わるべきでなかったと。
こんな風に傷つけたくないから、家を離れたのではなかったのかと。
それでも、今更離れたりなんて出来なくて。
――ヴーヴー……
部室には、着信を知らせるバイブが虚しく響いていた。
高野君は、肩を震わせて黙り込んでしまった。
いや、震えていたのは私だったのかもしれない。
それとも、どっちも震えてたのかな。
「……死ぬなよ……。アイツを……名良橋を、1人にしないでやってよ……」
懇願するような声色で紡がれた言葉は、私に重くのし掛かった。
そして、悔やんだ。
関わるべきでなかったと。
こんな風に傷つけたくないから、家を離れたのではなかったのかと。
それでも、今更離れたりなんて出来なくて。
――ヴーヴー……
部室には、着信を知らせるバイブが虚しく響いていた。