16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
◇second angel◇
ジレンマを抱えて
高野君に余命のことを告白した翌日、熱が出た。
高熱だったから気が滅入ったけど、結果的にはよかったのかもしれない。
アドレスを交換したばかりの瀬川さんに休むとメールを送り、ベッドの中に入る。
そして、昨日のことを思い出していた。
名良橋君からの呼び出しでファミレスに行ったものの、私と高野君の顔は酷いものだった。
私達を見てぎょっとした皆は、その場を明るく盛り上げてくれたけど。
名良橋君だけ――笑ってなかった。
「……ゲホッ」
高野君に言ったのは、私のバスケに対する想いと、時間がないことだけだ。
一人暮らしをしていることと、家族のことは言えなかった。
いきなり死ぬなんて言われて戸惑っている筈なのに、その上家族の問題まで押し付けることが出来なくて。
高熱だったから気が滅入ったけど、結果的にはよかったのかもしれない。
アドレスを交換したばかりの瀬川さんに休むとメールを送り、ベッドの中に入る。
そして、昨日のことを思い出していた。
名良橋君からの呼び出しでファミレスに行ったものの、私と高野君の顔は酷いものだった。
私達を見てぎょっとした皆は、その場を明るく盛り上げてくれたけど。
名良橋君だけ――笑ってなかった。
「……ゲホッ」
高野君に言ったのは、私のバスケに対する想いと、時間がないことだけだ。
一人暮らしをしていることと、家族のことは言えなかった。
いきなり死ぬなんて言われて戸惑っている筈なのに、その上家族の問題まで押し付けることが出来なくて。