16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
病気が見つかる前の家族を思い出すと、胸が締め付けられて。
その経緯を言葉にすることが、どうしても出来なかった。
「……くるし……ケホッ」
熱が上昇していくのを感じ、私は財布と診察券を持って家を出た。
こんなとき、実家だったら、と考えても仕方のないことを思う。
実家だったら……お父さんが私を車で病院に連れて行ってくれて、お母さんが看病をしてくれる。
お姉ちゃんは、そうだな……熱が出て不安に思う私を知っているから、ずっと傍にいてくれるだろう。
出来るのなら、戻りたい。
真っ白な、だけど色鮮やかな日々に。
――なんて。
私が願うことはいつも、叶わないものばかりだ。
診察を終えて、家に帰る。
その足取りは行きよりも重い。
その経緯を言葉にすることが、どうしても出来なかった。
「……くるし……ケホッ」
熱が上昇していくのを感じ、私は財布と診察券を持って家を出た。
こんなとき、実家だったら、と考えても仕方のないことを思う。
実家だったら……お父さんが私を車で病院に連れて行ってくれて、お母さんが看病をしてくれる。
お姉ちゃんは、そうだな……熱が出て不安に思う私を知っているから、ずっと傍にいてくれるだろう。
出来るのなら、戻りたい。
真っ白な、だけど色鮮やかな日々に。
――なんて。
私が願うことはいつも、叶わないものばかりだ。
診察を終えて、家に帰る。
その足取りは行きよりも重い。