16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
「ねぇ早くない?食べるの」

「部活とかで早く食べなきゃなんねーからな。癖だよ」

「そうは言っても、由羽ちゃんもまだ食べてるじゃん」



名良橋君の隣で、黙々とオムライスを食べる由羽ちゃんに目線を移して呟く。

名良橋君も同じように由羽ちゃんを見てから、また由羽ちゃんの口の周りについたケチャップを拭った。



「由羽が遅いだけ」

「あんたね、3歳の子にそんなこと言っちゃ駄目でしょうよ」



はぁ、と溜め息を吐きながら、漸く残り半分となったオムライスをスプーンで救い、口へと運ぶ。

そして、そんな私を名良橋君が不思議そうに眺めていた。

眉を寄せて何、と訊ねると名良橋君はふっと笑って。



「早坂って、いい嫁になりそうだよな」



なんて、さらりと言いのけた。



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