16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
馬鹿、ほんと馬鹿。

なんでそんなこと、さらりと言えるの。



「……名良橋君って、結構乙女だったんだね」

「はぁ!?」

「いきなり結婚なんて言うから、吃驚した」

「だってもう結婚出来んじゃん、16って」



――16歳。

そうか、もう結婚出来る年になるんだ、私。



「16か、そっかぁ……」

「誕生日過ぎてんの?」

「ううん、来月の28日」

「じゃあ俺のが上だな」

「いつ?名良橋君の誕生日」



最後の一口を食べ終え、スプーンをお皿に置く。

ちらりと見た由羽ちゃんのお皿には、まだオムライスが残っていた。



「来月の5日。まぁ、バイクの免許とかは大学生になったら取るし、大して嬉しくもないんだけどな」



ははっと笑う名良橋君を前に、私は表情が強ばるのを感じる。



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