16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
名良橋君がここまで“存在”に拘るのは、やっぱり梨央さんのことがあったからかな。
そう思うと、胸がチクリと痛んだ。
「顔上げろよ」
「やだ」
「なんで」
だって、顔上げたらわかっちゃうじゃん。
唇を噛んで、涙がこぼれないよう必死になってること。
名良橋君が、そうやって未来の約束をしてくれようとするのは嬉しい。
だけど、駄目だよ。
頷けない――そう思うのに。
「……約束して」
「え……?」
「私を乗せるまで、誰も後ろに乗せないって……約束して!」
名良橋君、ごめんね。
自分のために、果たされるはずのない約束を懇願した。
傷つくのは、名良橋君の方なのに。
「……わかった。ちゃんと、約束守るから。だから……絶対な」
そう思うと、胸がチクリと痛んだ。
「顔上げろよ」
「やだ」
「なんで」
だって、顔上げたらわかっちゃうじゃん。
唇を噛んで、涙がこぼれないよう必死になってること。
名良橋君が、そうやって未来の約束をしてくれようとするのは嬉しい。
だけど、駄目だよ。
頷けない――そう思うのに。
「……約束して」
「え……?」
「私を乗せるまで、誰も後ろに乗せないって……約束して!」
名良橋君、ごめんね。
自分のために、果たされるはずのない約束を懇願した。
傷つくのは、名良橋君の方なのに。
「……わかった。ちゃんと、約束守るから。だから……絶対な」