16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~
「先生……」

「よかった、目が覚めたのね」



先生がベッドに近付くのと同時に、松風先生が椅子から腰を浮かせる。

そして、気を遣ってくれたのか先生に会釈してから病室を去っていった。



「……早坂さん」

「はい」

「体育の授業を受けたって、本当?」

「……はい」

「言ったわよね、運動をすると心臓に負担がかかるからしちゃ駄目って」



先生はいつもと同じように冷静に、咎めるような声色で話す。

怒られるとは思ってたから、気にはしないけど……。

私、名良橋君達と過ごしてて思ったの。



「……死が近づいても、それまでに皆と笑い合えるなら……他に何もいらないんです」



1人じゃない、そう思えるから。



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