アウト オブ ザ ブルー
§1 妊娠

「福永さん…、福永みちるさん。診察室1番にお入りください」




自分の名前が呼ばれたのを確認し、私は重い腰を上げた。






淡いカーテンで仕切られた小さな部屋の中。


白衣の天使が私に微笑む。


「それじゃ、下全部脱いで、この椅子に座ってくださいね」




言われるままスカートに手をかけた。


「あ、スカートは履いたままでいいですよ」




そう言われ、下着だけ取って、テレビドラマで見覚えのある両脇に長い脚を持つ椅子の前に進んだ。


「それじゃあ少し前の方に座って、両足をこの台の上にのせてくれる?」




少し戸惑ったが、指示通り座面にゆっくり腰を下ろす。


そして右から片方ずつ、自分の足をその椅子の長い脚の上に置いてみる。


股が大きく開け広げられ、なんとも恥ずかしい格好になった。




「そうそう」


天使は目の前のカーテンを持ち上げ、私の下半身がその向こうへいくよう処理した。


「あとは先生がいらっしゃるまで少しお待ちくださいね」
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