アウト オブ ザ ブルー
§7 行き止まりの恋
「キーチ…」
「久しぶり…。元気だった?」
約3ヶ月ぶりに見る愛しい彼の姿に、私は動揺を隠せなかった。
こんな形で再会するとは思ってもみなかったし、
こっぴどく振られた相手にどんな顔して会えばいいのか見当もつかなかった。
「どうして…?なんでこんなとこにいるの…?」
まだ彼に未練があることを気づかれたらと思うと、心臓が破裂しそうだった。
「それはこっちのセリフだよ」
キーチはドアを閉めると私のすぐ側までやって来て、近くの椅子に腰掛けた。
「ミッチこそ、こんな時間になんで部室にいるわけ?」
「えっ…」
「卒論は?もう出して来たの?」
「ああ…、うん…」
ずっと会いたかったはずのキーチなのに、いざ目の前にするとどう接したらいいかわからない。
「なんかね…、もうすぐ卒業なんだって思ったら、急にここに来たくなって、それで…」
「ダリル・ホールとジョン・オーツを聴いてたってわけか」
キーチは小さく声をたてて笑った。
その笑顔は時間の流れを全く感じさせなかった。