アウト オブ ザ ブルー
マサとは衝突したくなかったので、今回のことも自分が腹にしまっておけばいいだけのことと思っていた。
けれどあまりに問い詰められたので、私は仕方なくふとんの上に起きあがった。
「じゃあ話すけど…」
マサが私の前で胡座をかくと、私は彼の目を見て言った。
「私…、今日学校で偶然キーチに会ったんだ…」
キーチの名前が出るとマサは一瞬顔を曇らせたが、「それで?」と話を聞き続けてくれた。
「マサさ…、キーチに私と結婚するって言ったんだって…?」
その問いにマサは何気ない顔で「言ったよ。それがどうかした?」と答えた。
しかし彼のその言い方は、私の堪忍袋の緒を切った。
「なんで…?どうしてそんなことしたの…?!」
少し間をおいてから、マサは笑って言った。
「別にいいじゃん。キーチは俺の恩師なんだし、進路報告ぐらいしたっておかしくないだろ?」
男女の頭の構造は少し異なっていると聞くけれど、
私に言わせれば、マサは女心を全然わかっていなかった。