アウト オブ ザ ブルー

友実から深雪ちゃんが来月出産予定らしいという話を聞いたので、


これでキーチが深雪ちゃんのものになってしまうのかと思うと、


今にも天が落ちて来そうな錯覚に陥った。



3月にならなきゃいいのにと願う日もあった。




けれど時は駆け足で過ぎ、早くも2月が数日過ぎようとしていた。






そんなある午後のこと。


ベッドの上に起き上がり、いつものようにイヤホンで音楽を聴きながら窓の外を見ていると、


誰かが私の肩を叩いた。



振り向くと、クリーニング会社の制服を着た20代後半くらいに見える男性が、モップとゴミ袋と新しいシーツを持って立っている。


慌ててイヤホンを外すと、彼はニコッと微笑んだ。


「シーツ交換の時間ですよ」
< 131 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop