アウト オブ ザ ブルー
友実から深雪ちゃんが来月出産予定らしいという話を聞いたので、
これでキーチが深雪ちゃんのものになってしまうのかと思うと、
今にも天が落ちて来そうな錯覚に陥った。
3月にならなきゃいいのにと願う日もあった。
けれど時は駆け足で過ぎ、早くも2月が数日過ぎようとしていた。
そんなある午後のこと。
ベッドの上に起き上がり、いつものようにイヤホンで音楽を聴きながら窓の外を見ていると、
誰かが私の肩を叩いた。
振り向くと、クリーニング会社の制服を着た20代後半くらいに見える男性が、モップとゴミ袋と新しいシーツを持って立っている。
慌ててイヤホンを外すと、彼はニコッと微笑んだ。
「シーツ交換の時間ですよ」