アウト オブ ザ ブルー

彼は何も答えなかった。




かわりにゆっくり立ち上がると、手摺りの向こうを向いたまま言った。


「ごめん、急にこんな話して…」




その声はどことなく悲しそうに聞こえた。


「あのさ…、みちるはなんとなくその子とかぶるとこがあるんだよ…」




「え…?」




「それで、君といると彼女と一緒にいるような気がして…、なんかなんでも話せちゃうんだ…」






なんという偶然だろう。




私もコージさんにキーチの姿を重ねることがあったけど、


コージさんも同じようなことを思っていたとは驚きだった。




それで彼にこんなに共鳴するのだろうか。
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