アウト オブ ザ ブルー

病院の外に出るのは約1ヶ月ぶりだった。



両親が仕事を休んで退院の手続きに来てくれたので、


久々に家族で夕食をとろうという話になった。




父が挨拶を兼ねてマサのお母さんの店に食べに行くかと言うので、それは嫌だと言うとその理由を問われ、


私は今マサの家ではなく、まおちゃんのところで世話になっていることを両親に話すことになった。



父には「溝が深まらないうちに早く優くんの家に戻りなさい」と言われたが、そんなことはできないと心の中で思っていた。



私はマサとの結婚をやめることにしたのだ。


もう彼のところには戻らない。



けれど、そう言えばまた父にうるさく言われることが目に見えていたので、私はあえて無言を通した。




それでもいずれ本当のことを話さなければならない日が来るのかと思うと、とても心が重かった。
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