アウト オブ ザ ブルー
「優くん…。君は私の前で娘を幸せにすると約束してくれたじゃないか。それを今になってやっぱり結婚できないだなんて、無責任にもほどがあると思わないか…?何か結婚できなくなった理由があるなら、ちゃんと話してほしい」
マサは少しだけ父の方を見たが、すぐにうつむき、なかなか口を開こうとしなかった。
「黙ってちゃわからないだろ…?子どもはどんどん大きくなっていくというのに、どうして今更結婚できないなんて言うんだ?」
何も発しないマサに、父は少し苛立ったように言った。
「それなりの理由があれば仕方ないが…、それを聞かせてもらわない限り、君の申し出は受け入れられない」
しばらくするとマサは父の顔を見上げて、「それでは少しだけお話します」と言った。
両親を部屋に通すと、彼は敷いてあったふとんを押し入れに投げ入れ、座ぶとんをふたつ出してそれを父と母にすすめた。
私も父に言われるまま私物を探す手を止め、両親と一緒にマサの話を聞くことになった。