アウト オブ ザ ブルー
「結婚って、当人同士の合意がなければ成り立たないものでしょ…?」
「それはそうだが…、お前は優くんと一緒になることをとっくに承知しているはずだろう?」
そう言う父に、私は首を横に振った。
「ごめん…、私やっぱりマサと結婚しない…。だって、マサは子どもの本当の父親じゃないんだもの…」
両親が驚きの声をあげた。
マサはうつむいていた。
私は自分の下腹部に手をやった。
「今まで嘘ついててごめんなさい…。この子は、私が他に好きになった人の子どもなの…。でも訳あってその人とは結婚できなくて…」
私は父に殴られるのを覚悟で、これまで隠し続けてきたことを全部打ち明けた。
「一時はマサと結婚してもいいかなって思ったんだけど…、やっぱり子どもの本当の父親のことが忘れられないし、こんな気持ちで一緒にいるのはマサに悪いし…、忍ちゃんにまで私のせいで大学に行くことができなくなったって責められて…、入院中、やっぱりこのままマサに甘え続けちゃいけないよなって、ずっと考えてたんだ…」